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[中学受験コラム]

2017年 首都圏高校入試の展望

2016/12/13

 一般入試(後期選抜)ではトップ校が入試・内申の比重を大幅な「入試重視」に。絶対評価により高い内申点を取る生徒が多くなっており、トップ校、上位校の選抜は内申では差がつきにくいため、他県の一般入試でも「入試得点重視」が打ち出されています。したがって、公立上位校の志望者は入試本番で高得点を取れるように、5科試験の対策に全力で取り組みましょう。一方、国立・私立難関校の志望者は、さらにハイレベルな対策学習を最後まで粘り強く続けていくようにしましょう。
また、押さえ校や併願校を的確に選択することも必須です。充分な併願プランがあってこそ、気分的に落ち着いて本番で実力を出しきることができるのです。受験準備を怠りなく進め、ベストな態勢で試験日を迎えられるようにしてください。

埼玉県公立・私立高校入試

 埼玉県公立高校の学力検査は3月初旬(29年度は3月2日)の実施で、受験者の全員に5教科入試が課されます。合否選考は22年度から「加算方式」で実施されています。入試得点(500点満点が原則)に、9科の内申や内申書(調査書)の特記事項などの換算点を足し合わせ、合計点の上位から合格者が決まります。これらの選抜資料や配点や換算のウェートは各高校で異なっているので、自分の志望校を早めに確認しておきましょう。
 次に29年度入試の受験作戦についてですが、第一に公立を受験できるのが「1回」だけであり、押さえの私立確保の重要性が以前より高まっています。私立は実力相応校のほか、次善校やチャレンジ校などレベルに開きをつけて2、3校程度受験しましょう。そして、「入学してもいい」と思える私立の合格を手にして、公立への安心材料にしてください。
 埼玉県内の私立高校では「1月中心」の入試地図が定着して20年近くになります。県内私立高の入試開始日は1月22日であり、この「初日」以降、各高校は推薦、一般などの試験日を自由に設定できるという申し合わせになっています。ただ、実状は例年、1月22日から25日ごろが県内私立入試のメインです。
 埼玉の受験生は、公立第一志望でも、私立難関校などが本命であっても、県内校の1月併願入試を受験しておくことが必須の作戦となっています。この併願制度で押さえの高校をしっかり確保し、気分的に余裕を得たうえで、公立や難関私立などにチャレンジしましょう。

東京都立・私立高校入試

 東京都立高校では、受験のメインである一般入試が最近、多くの高校で厳しさを増しています。普通科は一般入試の平均倍率が28年度には1.47倍に上がりました。来春の29年度も都立の一般入試は全体的に28年度と同程度かそれ以上の「厳しさ」となると予想されます。したがって、対策学習を全力で進めていき、充分に入試学力をアップさせ、本番で高得点を狙いましょう。
 28年度にいくつかの制度変更が行われました。一般入試では本番の入試得点・内申点が1000点満点に換算され、この総合点の上位から合格者を決定するのが基本です。一部に面接・実技検査を課す高校もあります。本番の入試は、27年度まで3教科の学校もありましたが、28年度からは5教科入試が原則となっています。入試得点・内申点のウエートは、以前は「7対3」「6対4」「5対5」「4対6」の4通りから各高校が選択していました。しかし28年度から芸術科、体育科を除き、全校で入試最重視の「7対3」になりました。また、技能4教科の評定は、27年度まで1.3倍とされていたのが2倍に変更され、9教科内申の中で重みが増しました。これら4教科(「音楽」「美術」「保健体育」「技術・家庭」)もふだんの授業や定期テストに真剣に取り組むことが必須です。
 都内私立の一般入試は2月10日に開始され、12日までの3日間に大半の高校が試験を実施。とくに「初日」の10日に多くの学校が集中しています。都内私立高校は約180校のうち、9割以上の高校に推薦制度があります。私立第1志望者ならば、単願推薦の受験が適しています。難関・上位校の推薦は、各校の内申基準のほか、本番の学科試験などで競争が展開され、2〜4倍台の高倍率校もみられます。そうした高校は、推薦・一般の2段構えで臨み、合格を勝ち取りましょう。「B推薦」と呼ばれる併願可の推薦も、中堅校など多くの都内私立で取り入れています。ただし、このB推薦は、同様の制度がある埼玉、千葉など都外の受験生のみが対象です。埼玉県の生徒も押さえの確保策として、都内私立のB推薦を視野に入れるのがよいでしょう。

茨城県公立・私立高校入試

 茨城県公立高校では25年度に推薦が廃止され、入試は1回化されています。定員が一般入試のみに集約されたことで、県立全体の「門戸」はある程度広くなりました。27年度はトップ3校の土浦第一、竹園、竜ケ崎第一(一般)がそろって1.1倍の低倍率に。ですが、28年度には土浦第一で受験者が急増(101人増)し、倍率1.4倍台に急上昇。竹園も受験者増(23人増)でやや倍率がアップ。一方、竜ケ崎第一(一般)は倍率1.1倍台を切りました。来春の29年度はこの反動で、竜ケ崎第一(一般)は倍率上昇となる可能性大とみられます。
 学力検査は29年度には3月3日に行われ、受験者全員に5教科入試が課されます。合否判定の方法は、入試得点・内申点などを用いた24年度までのA群、B群の選抜方式が「共通選抜」という名称で継続されています。また、多面的な評価という推薦の趣旨を引き継いだ「特色選抜」(定員の50%が上限)を行う高校もあります。この実施校は3月6日に特色選抜の志願者に面接を行うほか、作文、実技検査を課すことができます。合否判定では、先に「特色選抜」の合格者を決定し、その人数を差し引いて、「共通選抜」が行われます。
茨城県内の私立高校はひと昔前に比べて全体的にレベルがアップ。県南の土浦エリアでは近年、トップ校の江戸川取手のほか、土浦日大、常総学院、茗溪学園などで東大合格者が出ています。レベル上昇のカンフル剤の一つが「学業特待」の制度です。1月の一般入試にこの制度を取り入れ、学力が高い受験生を大勢集めている高校が目立ちます。また入学後は特進コースなどの手厚い進学指導が成果をあげているのです。学業特待は、3月の県立入試を前にして模試のような役割を果たします。さらに万一、県立に不合格となった場合、学費減免の特待生として私立に入学できるメリットがあります。

群馬県公立・私立高校入試

 群馬県の公立高校では平成12年度から「前期・後期選抜」制度が定着しています。前期選抜は2月に実施されます。前期の枠は定員の10%〜50%が標準とされますが、トップ校では前期の枠は小さいため、例年倍率3〜5倍の「狭き門」となっています。ですから、前期はあくまでもチャレンジ受験と捉え、合否に期待をしすぎないように。「県立のメインは後期」という大前提を忘れないでください。
 後期選抜の合否選考では、5教科の入試得点、内申書(調査書)が主な選抜資料とされます。5科の試験は各教科100点満点で500点満点が原則ですが、「傾斜配点」も認められていることに注意してください。男子トップ校の高崎、前橋では傾斜配点が定着しており、英語、数学、国語が各150点満点(5教科合計650点満点)です。24年度から高崎女子も傾斜配点を導入し、英語、数学、国語を各120点満点(5教科合計560点満点)としています。これらトップ校、とくに高崎、前橋は「3科」に強い生徒がかなり有利になるということです。近年、トップ校ではそろって大幅な入試重視のウエートです。入試得点のウエートが非常に高くなっており、入試学力が今ひとつの場合は合格しづらい傾向なのです。したがって、5科試験の対策を全力で進めていき、入試学力を最大限にアップさせ、「本番1点でも多く取る」という気構えでトップ校の「合格点」を勝ち取ってください。
 群馬県内私立入試は、例年1月を中心に行われています。県立志望者は2月、3月の公立入試を受ける前に、私立の「特待生入試」を受験するのが基本パターンとなります。また、隣接の埼玉私立を併願する受験生もかなり多くなっています。埼玉私立では、群馬からの通学の便がよく、難関大学の合格実績も良い本庄東や中堅校の本庄第一が主な押さえの候補です。より上位レベルの栄東なども視野に入ります。難関レベルでは早大本庄、慶應志木に挑戦する受験パターンが群馬生に広がっています。難関私立のハイレベルな入試対策は、県立の合格を確実とし、3年後の大学受験でも優位に立てるのです。実際、早慶付属校などに合格を飾り、県立トップ校に進学して、東大や医学部などの国立大学をめざす生徒も少なくありません。


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