県立浦和第一女子高校へ進学

その他の合格校
栄東高校
合格

遠藤 愛唯さん

自分を信じ抜き、
強い心で挑んだ県立トップ校合格

仲間と切磋琢磨できる塾生活

入試は熾烈な競争の世界。自分自身が頑張っているつもりでも、ライバルはそれ以上に必死に勉強し、時にはその厳しさを思い知らされることもあるでしょう。しかし、実はそんなときこそ学力はもちろん、人間的な力を伸ばせるチャンス。遠藤愛唯さんも県立トップ校を目指す中で様々な壁に直面し、自信を失いそうになりながらも、大きく成長していった一人です。
遠藤さんが入塾したのは小4の冬。塾に通おうと思ったのは他の生徒と競争したかったからでした。勉強には少し自信があったので、学力は塾の授業でさらに伸び、塾内のテストでは上位の順位になることも珍しくありませんでした。楽しい塾生活を過ごしていましたが、中学生になると少し気持ちに変化が表れました。
「定期テストでどうしても学年1位がとれなかったのです。結果的には2位が多かったのですが、どんなに頑張ってもトップにはなれず、喜べないどころか劣等感すら覚えるようになりました」と振り返ります。

必死で頑張る仲間から大きな刺激を受けた夏合宿

中3になり、本格的に受験勉強をはじめた遠藤さん。その頃は共学の県立高校を意識していましたが、参考程度に参加した浦和第一女子高校の学校説明会で大きな感動を覚えました。「先生方の説明に加えて生徒の歌や演奏が行われたのですが、あまりの素晴らしさに気が付くと涙が出ていました。またアナウンス部が作成した学校紹介の動画にも感激し、自分のやってみたいことができる高校はここしかない!と決めました」
決意が固まり、より一層受験勉強にも熱が入った1学期末。夏休みに入ると校舎は夏合宿に向けて熱気で溢れ、遠藤さんも真剣に予習に取り組みました。確認テストの合格枚数を競うという形式が、負けず嫌いな遠藤さんの闘志に火をつけたのです。ただ、同時に緊張感も日増しに強くなっていきました。そして迎えた夏合宿は予習をやり切ったものの、食事が喉を通らないほど周りの雰囲気に圧倒され、初日、2日目と思わぬミスが続いてしまいました。
「中盤になるとようやく気持ちの切り替えができ、合格枚数も増えてきました。チームメンバーを中心に友だちも増えて楽しく過ごせました」。その中で遠藤さんは順位を上げ、二桁台から一桁台に入った頃に夏合宿は終了。もっと順位を上げたかったという悔しさもにじませながら、共に頑張る仲間と接することで、勉強への取り組み方など大きく刺激を受けた5日間となりました。

「根拠のない自信」を持って不安を吹き飛ばす

夏合宿の頑張りが実を結び、遠藤さんは9月に受けた北辰テストで偏差値が74まで急上昇。
「この調子なら浦和一女も大丈夫だという自信がついてきました。しかし、次の北辰テストも万全の準備をして臨みましたが偏差値は68に下がり、さらに次の模試では66にまで落ちこみ、大きなショックを受けました」
心に暗雲が立ち込め、不安を抱くようになった遠藤さんですが、励みになったのはVVコースでした。開講当初は緊張のせいか、失敗してしまうこともありましたが、次第に挽回し順位を上げていきました。しかし、北辰テストの偏差値が下がったことが心の片隅にあり、たとえ順位が良くても、それで満足してはいけないと自身を追い込んでいました。
そんな遠藤さんを見ていた校長は、「根拠のない自信を持とう」と伝えました。偏差値や順位は、確かに自信を持つ上で大きな根拠となりますが、あくまで実力の一部が数字に表れているだけで、自分自身の全てではありません。何があろうとやればできる!と、自分を信じることが校長の訴える「根拠のない自信」だったのです。
負けず嫌いな遠藤さんは、自身の偏差値に対して厳しさを持っていました。その中で「根拠のない自信」というユニークな言葉が心に深く刺さり、自分の中のネガティブな面を乗り越え、本気でやればできる!と自分を鼓舞するようになりました。

努力の結晶のハチマキと共に入試に臨む

2学期が終わり、遠藤さんは正月特訓に参加。夏合宿同様に予習を頑張りぬき、最終的に2位という順位で終えることができました。私立高校の入試を終え、入試まで1ヵ月。遠藤さんは、北辰テストでできなかった箇所を中心に受験勉強の仕上げに取り組んでいました。数学では公立高校の過去問に挑戦し、特に学校選択問題で正解率が低い問題は何度も解くようにしました。英語は長文と英作文対策に集中しました。
そして迎えた試験当日、遠藤さんが通う中学校で浦和第一女子高校を受験する生徒は他にいませんでした。心細さを感じた会場への道で、少しでも不安な気持ちを落ち着かせようと握りしめたのは、合宿や塾で使ったハチマキでした。
「得意だったはずの数学で、しっかり解けたという手応えを感じられず、その影響で英語は緊張してしまい、冷静に問題と向き合えませんでした。全体的に自信が持てず、不合格だと思いました」。自宅に帰り、そのことを両親に話した遠藤さん。すかさず「あなたが受からなかったら誰が受かるの!」という言葉に、これまでの自分の努力を信じようという気持ちになりました。
結果は見事合格。苦しいことも多かった受験でしたが、遠藤さんはその一瞬一瞬に自分自身の成長を感じることができました。憧れの浦和第一女子高校ではアナウンス部に所属し、忙しい日々を送りながら勉強にも一生懸命取り組んでいます。